Kokuka Courageous号(コクカ・カレイジャス号)が魚雷攻撃(砲撃?)を受けたとの報道。乗組員は脱出したため、現在この船は漂流中とのこと。
国華産業が運用するタンカー船の他に、もう1隻が攻撃を受けている船があり、マーシャル諸島の企業の所有するフロント・アルタイア号で、こちらは沈没。
2隻の船の乗組員44人は全員救命艇などで脱出して無事救出された。
コクカ・カレイジャスのフィリピン人乗組員(正確には業務委託であり、国華産業の従業員ではない)21人も全員無事救出。
ちなみに、日本の船舶会社をマーシャル諸島船籍にしたり、パナマ船籍にしたりすることはよくあること。
これはパナマ船籍にしておくと、パナマ運河航行時に金銭(税金)的なメリットがあるためだ。
基本情報
現在は三菱グループで、三菱ガス化学の子会社。
アンモニア、エタノール、苛性ソーダなどの化学薬品を運ぶ貨物輸送と倉庫業を営んでいる会社。
設立は1947年3月で資本金は、1億円、従業員数は99人(うち本社勤務が40人程度)。乗組員は従業員にカウントされていない。
中国系ではなく、鈴木商店を源流とする日本の企業(兵庫県創業)。
本社
〒100-0011
東京都千代田区内幸町1-1-7 NBF日比谷ビル6階
会社の沿革・歴史
国華産業海運(現・国華産業)は帝人(大阪府)の船舶部門を引き継ぐ形で1947年に創業。
創業者は、梶山増吉(かじやまますきち)。「鈴木商店」を源流に持つ「カネタツ海運」から派生した海運会社。
1900年~1925年頃に、海運・鉄鋼・砂糖などの独占権を有し、日本で1,2を争う巨大商社だった「鈴木商店」(今の神戸製鋼や帝人、日鉄日新製鋼、日産化学など、多くの大企業の母体にもなっている)の従業員が、鈴木商店の経営破綻後の1928年に創業した海運会社がカネタツ海運。
第二次世界大戦の終戦後カネタツ海運は解散。その時のカネタツ海運にいた、梶山増吉が、鈴木商店から分離していた帝人の船舶部門を引き継ぐ形で創業。
帝人が大企業に成長するとともに事業業績を伸ばして、帝人の保険事業を引き継ぎ、海運、保険を事業の二大柱とする「国華産業」となっている。
その後、保険事業を切り離した後、三菱ガス化学からの出資を受ける形で三菱グループの傘下となって現在に至っている。