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Part 5:アイルランドSTEPのビザ申請のためのビジネスプランを書く

Part 5:STEPのビザ申請のためのビジネスプランを書く

僕がSTEPでアイルランドにビザ申請をした手順を紹介。

STEPのためのビジネスプランの書き方、条件などを記載しています。

STEPのビジネスプランを書く

STEP申請の最大の難所であるSTEP申し込み用のビジネスプランの執筆(?)です。

僕は45ページのビジネスプランを書くのに1ヵ月半かかりました。

まず、日本語でざっくりと構想を練り、そこから英語でコピペも駆使しながら書き、最後にネイティブのスコットランド人に英語の添削をしてもらいました。

ぶっちゃけ、Google翻訳も使いまくりました

僕は、Agritech(農業分野におけるテクノロジー事業)に興味がありましたので、Agritech分野で有名なある大学に連絡をして、コンソーシアム会員(共同研究者)になりました。

共同研究者とはいえ、年会費(協賛金)2万円さえ払えば、誰でもセミナーなどに参加できるといった趣旨のものなので、ハードルは高くありません。

僕には肩書も経験もなかったので、こういった肩書を貰っておくことで、少しでもビジネスプランに肉付けできるように準備しました。

※ちなみに、ビジネスを舐めているわけではありません。
アイルランドでは本気でAgritech分野で事業を起こすつもりです。


 

STEPのビジネスプランの要件

STEPのビジネスプランの要件は、STEPのガイドラインに明記されています。

・革新的でグローバルマーケットに訴求できるビジネス。
・3,4年後に10人を雇用し、年商1億円を超えるポテンシャルのあるビジネス。
・小売やサービス業など、アイルランド国内向けのビジネスは不可。
・ビジネスを運営する能力のある経営陣。
・アイルランド内に本社機能を有する。
・既にあるビジネスを移転する場合は6年以下の若い会社であること。

参照
STEPの説明ページ
https://www.irishimmigration.ie/coming-to-work-in-ireland/what-are-my-options-for-working-in-ireland/coming-to-work-for-more-than-90-days/start-up-entrepreneur-programme-step/

STEPガイドライン
https://www.irishimmigration.ie/wp-content/uploads/2020/01/STEP-Guidelines.pdf

まあ、ハッキリ言ってテクノロジー系ビジネスが求められています。

Webサービス、フィンテック系、スマートデバイス系などが好まれる傾向にあるようです。

僕は、アグリテック分野なので、小規模農業やガーデニングの散水や温度をスマホアプリで管理できる制御デバイスのビジネスを考えました。

機械の開発経験も、アプリの開発経験も全くありませんが、多分なんとかなるでしょう…(楽観主義者)
 

STEPのビジネスプランのテンプレート

STEPのビジネスプランは、テンプレートが用意されています。

アイルランドのDepertment of Justice(法務省)のIIP(投資家VISA)のページから、
STEPで使えるビジネスプランのテンプレートがダウンロードできます
https://www.irishimmigration.ie/coming-to-live-in-ireland/i-want-to-invest-in-ireland/#related

STEP申請用のビジネスプランテンプレート
business-plan-template.docx (Word)

何をどのように書けばいいのか結構詳しく記載されているので、このテンプレートは参考になります

あとは、一般的なビジネスプランのサンプルですが
Take-Out Pizza ビジネスプランサンプル.pdf
こちらも役に立ちました。

ビジネスプランなど英語はおろか日本語でも書いた経験がなかったため、何をどのように書けばいいのか全く分からない状態でした。

紹介しているTake-Out Pizza のビジネスプランのサンプルは、外食なのでプランそのものはSTEPの要件には合いませんが、ビジネスプランの書き方として参考にしました。

MBAや経営学を学んだ人にとっては当たり前なのかもしれませんが

Lean Canvas(事業の強みや弱みを洗い出す手法)
Revenue Sause(収益予想)
Tech Diagram(必要な技術的リソースの見通し)
Projected Cost(ビジネスの初期段階で予想されるコスト)
Required Start Up Funds(ビジネス開始までに必要なお金)

この辺の内容も僕は全く知りませんでした。

日本語のビジネスプランと書き方は基本同じですが、それぞれを調べながら、エクセルなどで表を作ったりして自分のビジネスプランを書き上げていく中で、サンプルを参考にしました。

「Part 5 SETPのビジネスプランの書き方」は以上です。

テンプレートや参考になるサンプルもありますので、なんとか書けると思います。

続く Part 6 では実際の申請の手順やスケジュール、受付確認などについて説明しています。

アイルランド移住 Part 2:アイルランドで永住する方法 – STEPプログラム

Part 2 あこがれの海外移住:なぜ移住先としてアイルランドを選んだのか

海外移住の手順と、実際に僕がやってきたことをメモしていきます。

アイルランド移住の情報はアメリカやカナダと比べ情報がとても少ないので、ここにメモしておくことで、何かの役に立てば幸いです。

なぜアイルランドを選んだのか

アイルランドを選んだ理由は複数ありますが、メインは下の5つの理由です。

法人税
教育水準
人の性質
移民政策
他国との比較

法人税の安さは世界屈指

法人税は12.5%(グローバル企業へは15%)と、先進国の中ではずば抜けた低さです。

日本の23%ぐらい、アメリカの35%ぐらいと比較しても際立っています。

アイルランドでビジネスにチャレンジしたいと思っている僕にはこれは大きな魅力です。
 

教育水準の高さ

アイルランドの教育水準は非常に高いことで有名です。

イギリスやアメリカよりもはるかにいい教育が受けられる事で知られており、イギリス人で子供が生まれたのでアイルランドに移住し、子供が卒業するとイギリスへ戻る、という話もよく聞きます。

いわゆるTop of Topを比べると、オックスフォードやスタンフォードを有するイギリス、アメリカの方が上でしょう。

しかし、平均的な教育水準はアイルランドが先進国の中でもトップクラスだと言われています。

アホばっかりの国は嫌でしょ…?
 

人の性質

アイルランド人はみんな「フレンドリーで親切、サービス精神にあふれて」います。

道で普通に話しかけてきてくれますし、コールセンターなどの電話応対もとても親切です。

僕のへったくそ英語でも電話口でとても丁寧に対応してもらえます。

移民に対しての嫌悪感が少ないというのも、移住先に選ぶには重要なファクターです。
(もちろんゼロではありませんし、善人ばかりではありません!)
 

移民政策

英語が公用語で先進国の中で、移民受け入れに積極的なのは、カナダとアイルランドです。

アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドは、カナダ、アイルランドに比べ厳しめです。

国際結婚や転勤であれば移民政策は関係ありませんが、僕の場合は、何もない状態での移住なので、移民受け入れに積極的な国の方が何かと便利です。
 

他の移住候補の国との比較

実は、最初はイギリスへの移住を目指していました。

しかしイギリスのEU離脱がありました。

グローバルビジネスの機会減少やヨーロッパ旅行の手間の増加があり、イギリスは移住候補地から除外することにしました。

何より「日本と違い、若さ溢れる国でチャレンジしたい」という思いが強かったので、「イギリスも日本と同じ島国根性か」と、イギリスという国を見損なってしまったのが大きな理由です。

もちろんEU離脱にはいい面もあるでしょう。

ただ、僕の価値観とは合わないなと思ったのです。
 

アメリカに関しては始めからハードルが高いと感じていました。

実際にトライしてみればそうでもないかもしれませんが、やはりヨーロッパを第一候補にしたいと思っていたので、アメリカは第一候補にはなりませんでした。
 

カナダは、旅行で行った時に、のんびりしていて凄くいい国だと感じました。

でものんびりしすぎていて、まだまだチャレンジしたいと思っている僕にとっては、スローライフすぎると思いました。

カナダは素敵な国だと思いますので、もし今自分が65歳だったら、カナダを選んでいたかもしれません。

 

オランダも検討した国の一つです。

ビジネス環境、教育水準、(日本人に対しての)移民政策など、オランダは日本人にとって、最も移住しやすい国の一つです。

日常生活は英語でも全く問題ありません。

ただし、公用語がオランダ語なので、文章や手続きはオランダ語のものも多いのがネックです。

公用語は英語である方がベターだと思い、オランダも第一候補から外しました。
 

他の移住先候補、プランB、滑り止め

以上の理由で、移住先の第一候補をアイルランドに決めました。

もしも、アイルランドへの移住がとん挫した場合、VISA申請が認められなかった場合には、オランダをプランBとして考えています。

オランダと日本の間には「Dutch Japanese Trade Treaty(日蘭通商航海条約)」と呼ばれる条約が結ばれており、日本人はオランダで自由に働く権利が認められています。

簡単に言うと、銀行残高が30万円程度あり、オランダに住む住所(賃貸OK)があればオランダの居住権が得られます

移住の条件としては非常に緩く、日本人であれば、ほぼ誰でもオランダに移住可能と言えます。

参考 https://ind.nl/en/work/working_in_the_Netherlands/Pages/Self-employed-person.aspx

オランダはアイルランド以外の移住候補として、最後まで悩んだ国でした。

なのでもしアイルランドに移住できない時には、オランダ移住に切り替える予定です。

「Part 2 アイルランドで永住する方法」はこれで終わりです。

次回のパート3では、アイルランドのVISA申請の条件などを確認していきます。

 

アイルランド移住 Part 1:STEPプログラムを使ってアイルランドで永住を目指す

Part 1 海外移住を目指して:アイルランドに移住した話

アイルランドへの移住の手順、なぜアイルランドにしたのかなど、実際に僕がやってきたことをメモしていきます。

アイルランド移住の情報はアメリカ移住やカナダ移住と比べ情報がとても少ないので、参考になれば幸いです。

自己紹介

まずは簡単に自己紹介を。
38歳(移住時)、既婚(国際結婚ではない)。

全然一流じゃない大学を、全く優秀ではない成績で5年半かけて卒業。

空港税関に就職しましたが、イギリス留学を決意して1年で退職。

2年間のイギリス留学(ワーキングホリデーVISA)から帰国。

イギリスから帰国してからは10年間働き、アイルランドへ海外移住を決意

特殊な能力はなく、語学力も日常会話OKレベル。

親は普通の地方公務員。

こんなザ・普通の僕がアイルランド移住してみた備忘録です。

 

なぜ海外移住したいと思ったのか?

凄く簡単に言うと「あこがれ」です。

転勤でもないし、国際結婚でもありません。
ただただ「ヨーロッパで生活をしたいから」につきます。

学生時代から海外旅行は好きで、貧乏旅行ですが、イギリス、フランス、フィリピン、タイ、スリランカ、エジプト、メキシコ、ラオスなどを旅行しました。

高校生の時は英語の成績は学年最低
あまりの成績の悪さに、追追追試験まで受けさせられ、最後のテストを受けたのは僕一人でした。

正真正銘の学年最低です。

イギリスでの2年間のワーホリを経験し、やっぱり海外で生活したいと思うようになりました。

なぜアイルランドを選んだのかについては、次のパート2で詳しく述べています。

 

アイルランドに永住(移住)する方法

複数の方法がありますが、大きく分けると以下の5つです。

・大金持ち
・現地での就職(現地への転勤)
・起業
・国際結婚
・不法滞在を長く続ける

 

大金持ち

アイルランドでは、総資産が200万ユーロ以上であれば移住可能です。
だいたい2億5千万です。”現金” ではなく “総資産” なので、持ち家や株、国債なども含まれます。

アイルランドに限らず、イギリス、アメリカなども同様のVISAが存在します。

アイルランドでは、The Immigrant Investor Programme (IIP) と呼ばれていて、いわゆる「投資家VISA」です。
 

現地での就職(現地への転勤)

グローバル企業に勤めている人や、現地の大学を卒業した人などには現実的な方法だと思います。

しかし僕は大企業勤めではなく、卒業した大学も日本国内です。

世界中で活躍できるような天才でもなく、キャリアもない。

語学も「そこそこ」レベル、年齢的にもハードルは高めです。
 

起業

アイルランドには起業家VISAがあります。

Start-up Entrepreneur Programme (STEP) と呼ばれています。

僕はこのSTEPを使っての移住を目指しました。

STEPを利用しての移住に関する条件などは、パート3で詳しく紹介しています。
 

国際結婚

既婚者なので無理です。
 

不法滞在を長く続ける(5年以上)

合法滞在でも不法滞在でもなんでもいいので一定期間その国に留まることで、合法的にVISAが貰える制度があります。

一部では、最も簡単な(ポピュラーな)方法の一つですが、僕は「あこがれの海外生活」をしたいので、この方法は選びません。

せっかくヨーロッパに住むのだから、ヨーロッパの他の国へ旅行もしたいですし、
海外に住めれば何でもいいわけではなく、楽しく住みたいからです。

Part 1 の簡単な自己紹介となぜアイルランドにしたのかはここまでです。

さて、続くパート2では移住先としてなぜアイルランドを選んだかを書いていきます。

お楽しみいただければ幸いです。