女の子のあだ名に付く「たそ」って何?
友達のエリナのあだ名が知らない間に「えりたそ」になっていた。
語呂が悪い、響きもかわいくない、抑揚のポイントが分からない。
なんで名前の後に「たそ」ってつけるんだ?
「たそ」の意外な語源とは?
「たそ」は「ちゃん」の変形
結論から言うと、「たそ」は「ちゃん」の変形だった。
その事実を知ったのは「エミリアたん マジ天使!」という有名なセリフから。
エミリア
↓
エミリアちゃん
↓
エミリアたん
↓
エミリアタン
↓
エミリアタソ
↓
エミリアたそ
つまり、ロックマンをロックマソとモジるのと同じ原理だったんだ。
古語の「たそ」との関係はあるのか?
高校の国語(古文)の教科書にもよく使われる「平家物語」の一節「敦盛の最後」に出てくる有名な一節がある。
我が子の小次郎がよはひほどにて容顏まことに美麗なり。
「そもそもいかなる人にてましまし候ふぞ。名のらせ給へ。助け参らせん」
と申せば、
「汝はたそ」
と問ひ給ふ。
現代語訳
若武者が俺の息子の小次郎ぐらいの年齢のフェミニンな超イケメンだったから、殺したいけど、どこを刺せばいいのか迷っちゃった。
熊谷が、「あなたはどんな身分の人ですか?名乗ってください。そうすれば命は助けましょう。」
と言うと、その武者は
「お前こそ誰だ」
と尋ね返してきた。
さて、平家物語の内容はどうでもいいとして、
古語の「たそ」は、漢字では「誰そ」または「誰ぞ」と書く。
つまり「たそ」=「誰やねん」という意味になる。
ついでに、「たそがれ時」を語源の古語の通り漢字であてると「誰そ彼時」となる。
つまり「アイツ誰やねんってなる時間帯」=「暗くなってきて人の視認が難しくなる時間帯」=「夕方」ということだ。
※今の常用漢字では、「たそがれ」は「黄昏」で、意味は同じ。
結論として古典の「たそ」とは関係ない
最終的な結論として、古語の「たそ」と愛称の「たそ」は全く関係なかった。
「たそ」は「ちゃん」の変形です。(断言)