原油先物価格がマイナスになった!原油価格って何で決まるの?
ざっくり説明すると、原油価格は買いたい人と売りたい人の値段で決まります。
難しい言葉は割愛しますが、
売りたい人が赤
買いたい人が青です。
売りたい人(原油を掘っている会社、国)が1リットル100円で売ってもいいよと言ったとします。
買いたい人(車に乗る人、石油を使う会社)全員が1リットル100円で買うと言うと、
原油価格はずーっと100円のままです。
でも景気のいい国の人が、
もっと車に乗りたい!だから1リットル150円で買うわ!
と言うと、
売りたい人はじゃあ150円で売る!
となり、ガソリン価格(つまり原油価格)は150円に上がります。
でも実際はそんなに単純じゃなくて
この先10年間ずっとあなたから買うから1リットル90円にまけてよ。
100リットル一気に買ってくれるなら95円におまけするよ?
サウジアラビアさんが90円で売っていいよって言ってくれてるから、ロシアさん、あなたが買ってほしいなら85円に値下げしてよ。
と色々な話があります。
でも、基本は変わりません。
使いたい人が多いほど原油価格は高くなり、使いたい人が少なければ原油価格は安くなります。
じゃあなぜ原油価格がマイナスになったの?
厳密に言うと原油価格はマイナスにはなっていません。
原油先物価格がマイナスになりました。
先物価格(さきものかかく)は、簡単に言うと、「1年後に原油を買える権利」です。
前売り券みたいなものですね。
原油(石油、ガソリンなど)が急になくなったら困るので、1年先まで買える「前売り券」を買っておこう。
とみんな思っているわけです。
でも、急に誰も石油なんていらないって思ったら?
もちろん新型コロナウイルスの影響が大きいと思います。
今は誰も飛行機にも乗りませんし、車にもバスにも乗りません。
でも1年後に誰も石油を使わないとしたら、石油が余って困ってしまいます。
置いておく場所もありません。
という訳で、もう石油はゴミと同じになって「お金払うから石油持ってってよ」となってしまったわけです。
だから、価格がマイナスになったからといって、ガソリンを給油すればお金がもらえる、という訳ではありません。
とまあ、こんな流れで原油先物価格がマイナスになってしまいました。
原油先物価格マイナスの原因には、もっと色々考えている国もあるから
実はもっと色々考えている国もいます。
原油が出てくる国(産油国)にとって、他の産油国はライバルです。
サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラン、イラク、イエメン、バーレーン、ロシア、ベネズエラ、アメリカ…
たくさんの国が産油国です。
例えば、サウジアラビアはお金持ちなので、しばらく原油が売れなくても大丈夫!だとします。
サウジアラビアやアラブ首長国連邦はちょっと掘れば原油がガンガン出ますし、国が油田を持っているので、強いんですね。
でもアメリカは?
深ーい場所からたくさん掘って掘って頑張らないと、原油は出ません。
掘るのにお金がたくさんかかります。
それにアメリカでは油田を持っているのは国じゃなくて会社です。
儲からなかったらアメリカの石油の会社はすぐに潰れてしまいます。
サウジアラビアは1年間損してでも、原油を安く売りまくって、原油価格を下げて、アメリカの会社を潰してしまいます。
そして1年後にまた原油価格の値段を上げていけば、ライバルがいなくなっているので大儲けできるわけです。
なかなか賢いですね。
今はコロナウイルスの影響で、もともと原油価格は安くなっているので、今安売りをしまくって、ライバルにトドメを刺そうとしている産油国があるのも、価格がどんどん安くなる原因ですね。