「ヨーロッパ」タグアーカイブ

アイルランド移住 Part 8:STEPの滞在許可更新 (滞在2年目) について

Part 8:STEPの滞在許可更新 (滞在2年目)

※STEPプログラムって色んなとこに書いてますが、STEPのPがプログラムのPなので、STEPプラグラムだとプログラムプログラムになっちゃいますね。めんど..備忘録的な意味も込め過去記事の修正はしませんが、ちょっと恥ずかしいです。

Part 7 でSTEPの滞在許可がもらえ、無事に移住完了したことを報告してから早2年。visa更新時期手続きを進めているので、ここに記載しておきます。

滞在許可更新

Part 7 のstamp4取得から早2年。滞在許可の更新日が近づいてきました。

2023年12月の時点で、半年後にリニューアルなんだけど、更新どうしたらいいの?とメールを送っていました。
その時の返事(抜粋)が以下です。

Firstly this office would like to inform you that there is a renewal process required under the STEP prior to awarding a 3 year renewal of permission. We note from our records that you are in permission until xx/xx/2024. When this permission is close to expiring (ideally 60 days before expiration date) we will require you to contact this office by email only (xxxxxx@justice.ie) requesting a renewal of permission under the STEP. This office will then issue you with a small list of requirements in order to determine if you are eligible for renewal.

Please note the following in relation to your queries below:

1. It is not necessary to renew your passport prior to renewing your permission. Should your STEP renewal application be successful you will be able to renew for the full 3 year period regardless of the expiry date of your passport.

2. You will be able to renew your permission online once you are in receipt of a letter granting you a renewal of permission under the STEP from this office.

つまり、
お前のパーミッションが切れる60日前ぐらいにメール送ってこい
・何種類か書類を提出してね。
・その時点でのパスポートの有効期限は関係なく、3年間のパーミッションを与える。
・リニューアルの手紙が届けばオンラインでリニューの手続きをしてくれ。

ってことでした。

 

STEPの条件の再確認

STEPの条件の部分でネックとなるのは、ビジネスのパフォーマンス条項です。
・3,4年で10人ほど雇用でき、4年後に年商100万ユーロ以上(だいたい年商1億円以上)を見込めるビジネスプランであること。

とあります。
アイルランドでの法人登記は行い、日本からアイルランドの法人へ送金することで、売上は作っています。

僕自身がアイルランドでインターネット系の仕事をしているため、ある程度の売上を作ることは問題ありませんでしたが、現時点(2年目の時点)で、誰一人雇用していません

年商も600万円(4万ユーロぐらい)なので 年商1億には遠く及びません
まあでも3,4年での目標値なので、現時点で達成していない事は多分問題ないはずです。
(と信じてリニューアルの手続きを進めました)

 

実際の更新手続きを進め方。提出が必要な書類一覧

ってことで、滞在許可の期限が切れる65日前ぐらいにメールを送りました。

翌日には以下のような返事がきました。

Person ID: 11xxxx-xx
Application Nos: xxxxxxxx-SUxx-xx
Business Name: xxxxxxxxxx Ltd.
Names: xxxx xxxxxxx

Dear Mr. xxxxxxx,

In order to process your application for renewal of permission under the Start-up Entrepreneur Programme (STEP) we will require the following list of documentation:

Colour copy of your full passport and colour copies of your family members’ passports (biometric page with all pages containing Irish immigration stamps)
Copies of xxxxxxxxxxx Ltd’s accounts for the year’s ending 31/12/2022 and 31/12/2023 if available, if not please provide a detailed narrative for the business highlighting the key areas listed as:
o Turnover
o Staff numbers
o Investment made in the company

Proof of residency for the calendar year’s 2022, 2023 and 2024(i.e. utility bills, personal bank statements etc)
Copy of you and your spouse’s Irish Residence Permit (IRP) for the calendar year’s 2022, 2023 and 2024.
Copy of the CT1 for the calendar years 2022 and 2023.
Tax Clearance Certificate in respect of xxxxxxxxxx Ltd. for the calendar years 2022 and 2023.
Detailed narrative on the status of xxxxxxxxx Ltd (including an overview of how xxxxxxx Ltd is currently performing, detailing that your business is trading as expected per business plan submitted and/or if measures have been put in place to deal with any difficulties, expected growth in areas such as staffing etc.)
Affidavits of good character for both you and your spouse

Please be advised, this office is only permitted to process a renewal under the STEP 3 months before the expiry date.

ここで初めてリニューアルに必要な書類が分かりました。
・2022,2023の会社の決算書類の中の財務三票(Profit and Loss, Balance Sheet, Cash Flow)
・パスポート全ページのカラーコピー
・2022,2023,2024の居住の証拠(電気代などの領収書、銀行のステートメント等)
・2022,2023,2024のIRPカードのコピー
・2022,2023の CT1 のコピー → CT1(corporation tax)は法人税の確定申告書の書類です。
・2022,2023の Tax Clearance Certificate のコピー(確定申告して納付したら出てくる書類)
・会社のパフォーマンスの説明、トレンド、プラン、困難にどう対処したか、成長予測、雇用などについて
・Affidavits of good character

の6種類です。

2022年は会社設立前なので、CT1などの会社関連の書類は2023年分しか用意できませんが、その分は説明書(2023年に会社設立したので、2022年分はありまへんって)を添付すれば大丈夫かなと思いました。

会社のパフォーマンスの説明については ChatGPTさん の助けもあり、すぐに書けました。

問題は Affidavits of good character です。
直訳すると、「良い人であることの宣言書」これが具体的に何を出せばいいのかが分かりませんでした。

 

Affidavits of good characterとは?-勘違い-

色々調べてみた結果、 citizen information の中に「帰化する人は good character の証明として Police Certificates が必要」という文言を発見したので、「ははぁなるほど、これね」と思いました。
Police Certificates のリンク
※ ↑ 結果的にこれは間違いだったので、正しい書類は後ろの方に書いてます。

Police Certificates の取得に必要な必要な書類は以下の通り。
・申込用紙
パスポートの certified copy by Garda
・Proof of address (電気代の請求書等)
・返信用封筒
上記を同封して、最寄の Garda station の担当部署に郵送で送る。



さっそく、Garda station に行き、パスポートの certified copy by Garda を作ってもらいに行くと、
G「何それ?知らね。郵送してよ。窓口では何もできない」
と言われました。

一旦家に帰って調べるが、 “certified copy by Garda” と明記されているので、普通のコピーじゃダメっぽい。

翌日、再び Garda station に行き、
俺「ここ!ちゃんと読んで! by Garda って書いてるから!」
ってかなりしつこく言って、ちょっと聞いてくるわって事務所に一旦戻り聞いてきてくれ、
結果、G「できるってさ!パスポート貸して」
って言ってきました。

いや、自分とこの手続きぐらいちゃんと把握しててくれ!

で要約貰った パスポートの certified copy by Garda がコレ。

パスポートのカラーコピーにハンコ捺して、サインをしてます。

で、これらの書類を Garda station の担当部署に送ったのですが…

G「お前の手続き用には Police certificates は発行できません。これはアイリッシュの人が、海外visa申請用に使う書類です!

って一蹴されてしまいました…

てことで振り出しに戻る。です。

 

Affidavits of good characterとは?-本当に必要な書類-

てことで、 Department of Justice にメールして聞きました。
俺「Affidavits of good character って具体的になんなんのよ?何を用意すればいいの?
3日後ぐらいにメールで返事が来て、
J「…renewal under the STEP we will require an affidavit sworn by you in the presence of a legal representative who is registered in Ireland or a commissioner for oaths.

つまり、アイルランドの法的資格を持った弁護士、または宣誓管理官(日本で言うところの公証役場のような場所)にて宣誓書を作ってもらえ

とのことのようです。

さっそく Solicitor にメールして、こういう書類作ってって連絡して、2,3日後に作ってもらった書類が以下です。

内容は本当に「俺いい人だよ。」って宣言してるだけですね。
ちなみに、この書類作ってもらうのに €170 必要でした。

 

ようやくリニューアルの申請

・2022,2023,2024の居住の証拠
・2022,2023,2024のIRPカードのコピー
・2022,2023の CT1 のコピー
・2022,2023の Tax Clearance Certificate のコピー
・会社のパフォーマンスの説明
・Affidavits of good character
・2022年の CT1 と Tax Clearance Certificate が無い事の説明

を添付し、メールで送り返しました。

今は結果待ち(2024/7/1)さてどうなる事やら…

Part 5:アイルランドSTEPのビザ申請のためのビジネスプランを書く

Part 5:STEPのビザ申請のためのビジネスプランを書く

僕がSTEPでアイルランドにビザ申請をした手順を紹介。

STEPのためのビジネスプランの書き方、条件などを記載しています。

STEPのビジネスプランを書く

STEP申請の最大の難所であるSTEP申し込み用のビジネスプランの執筆(?)です。

僕は45ページのビジネスプランを書くのに1ヵ月半かかりました。

まず、日本語でざっくりと構想を練り、そこから英語でコピペも駆使しながら書き、最後にネイティブのスコットランド人に英語の添削をしてもらいました。

ぶっちゃけ、Google翻訳も使いまくりました

僕は、Agritech(農業分野におけるテクノロジー事業)に興味がありましたので、Agritech分野で有名なある大学に連絡をして、コンソーシアム会員(共同研究者)になりました。

共同研究者とはいえ、年会費(協賛金)2万円さえ払えば、誰でもセミナーなどに参加できるといった趣旨のものなので、ハードルは高くありません。

僕には肩書も経験もなかったので、こういった肩書を貰っておくことで、少しでもビジネスプランに肉付けできるように準備しました。

※ちなみに、ビジネスを舐めているわけではありません。
アイルランドでは本気でAgritech分野で事業を起こすつもりです。


 

STEPのビジネスプランの要件

STEPのビジネスプランの要件は、STEPのガイドラインに明記されています。

・革新的でグローバルマーケットに訴求できるビジネス。
・3,4年後に10人を雇用し、年商1億円を超えるポテンシャルのあるビジネス。
・小売やサービス業など、アイルランド国内向けのビジネスは不可。
・ビジネスを運営する能力のある経営陣。
・アイルランド内に本社機能を有する。
・既にあるビジネスを移転する場合は6年以下の若い会社であること。

参照
STEPの説明ページ
https://www.irishimmigration.ie/coming-to-work-in-ireland/what-are-my-options-for-working-in-ireland/coming-to-work-for-more-than-90-days/start-up-entrepreneur-programme-step/

STEPガイドライン
https://www.irishimmigration.ie/wp-content/uploads/2020/01/STEP-Guidelines.pdf

まあ、ハッキリ言ってテクノロジー系ビジネスが求められています。

Webサービス、フィンテック系、スマートデバイス系などが好まれる傾向にあるようです。

僕は、アグリテック分野なので、小規模農業やガーデニングの散水や温度をスマホアプリで管理できる制御デバイスのビジネスを考えました。

機械の開発経験も、アプリの開発経験も全くありませんが、多分なんとかなるでしょう…(楽観主義者)
 

STEPのビジネスプランのテンプレート

STEPのビジネスプランは、テンプレートが用意されています。

アイルランドのDepertment of Justice(法務省)のIIP(投資家VISA)のページから、
STEPで使えるビジネスプランのテンプレートがダウンロードできます
https://www.irishimmigration.ie/coming-to-live-in-ireland/i-want-to-invest-in-ireland/#related

STEP申請用のビジネスプランテンプレート
business-plan-template.docx (Word)

何をどのように書けばいいのか結構詳しく記載されているので、このテンプレートは参考になります

あとは、一般的なビジネスプランのサンプルですが
Take-Out Pizza ビジネスプランサンプル.pdf
こちらも役に立ちました。

ビジネスプランなど英語はおろか日本語でも書いた経験がなかったため、何をどのように書けばいいのか全く分からない状態でした。

紹介しているTake-Out Pizza のビジネスプランのサンプルは、外食なのでプランそのものはSTEPの要件には合いませんが、ビジネスプランの書き方として参考にしました。

MBAや経営学を学んだ人にとっては当たり前なのかもしれませんが

Lean Canvas(事業の強みや弱みを洗い出す手法)
Revenue Sause(収益予想)
Tech Diagram(必要な技術的リソースの見通し)
Projected Cost(ビジネスの初期段階で予想されるコスト)
Required Start Up Funds(ビジネス開始までに必要なお金)

この辺の内容も僕は全く知りませんでした。

日本語のビジネスプランと書き方は基本同じですが、それぞれを調べながら、エクセルなどで表を作ったりして自分のビジネスプランを書き上げていく中で、サンプルを参考にしました。

「Part 5 SETPのビジネスプランの書き方」は以上です。

テンプレートや参考になるサンプルもありますので、なんとか書けると思います。

続く Part 6 では実際の申請の手順やスケジュール、受付確認などについて説明しています。

アイルランド移住 Part 2:アイルランドで永住する方法 – STEPプログラム

Part 2 あこがれの海外移住:なぜ移住先としてアイルランドを選んだのか

海外移住の手順と、実際に僕がやってきたことをメモしていきます。

アイルランド移住の情報はアメリカやカナダと比べ情報がとても少ないので、ここにメモしておくことで、何かの役に立てば幸いです。

なぜアイルランドを選んだのか

アイルランドを選んだ理由は複数ありますが、メインは下の5つの理由です。

法人税
教育水準
人の性質
移民政策
他国との比較

法人税の安さは世界屈指

法人税は12.5%(グローバル企業へは15%)と、先進国の中ではずば抜けた低さです。

日本の23%ぐらい、アメリカの35%ぐらいと比較しても際立っています。

アイルランドでビジネスにチャレンジしたいと思っている僕にはこれは大きな魅力です。
 

教育水準の高さ

アイルランドの教育水準は非常に高いことで有名です。

イギリスやアメリカよりもはるかにいい教育が受けられる事で知られており、イギリス人で子供が生まれたのでアイルランドに移住し、子供が卒業するとイギリスへ戻る、という話もよく聞きます。

いわゆるTop of Topを比べると、オックスフォードやスタンフォードを有するイギリス、アメリカの方が上でしょう。

しかし、平均的な教育水準はアイルランドが先進国の中でもトップクラスだと言われています。

アホばっかりの国は嫌でしょ…?
 

人の性質

アイルランド人はみんな「フレンドリーで親切、サービス精神にあふれて」います。

道で普通に話しかけてきてくれますし、コールセンターなどの電話応対もとても親切です。

僕のへったくそ英語でも電話口でとても丁寧に対応してもらえます。

移民に対しての嫌悪感が少ないというのも、移住先に選ぶには重要なファクターです。
(もちろんゼロではありませんし、善人ばかりではありません!)
 

移民政策

英語が公用語で先進国の中で、移民受け入れに積極的なのは、カナダとアイルランドです。

アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドは、カナダ、アイルランドに比べ厳しめです。

国際結婚や転勤であれば移民政策は関係ありませんが、僕の場合は、何もない状態での移住なので、移民受け入れに積極的な国の方が何かと便利です。
 

他の移住候補の国との比較

実は、最初はイギリスへの移住を目指していました。

しかしイギリスのEU離脱がありました。

グローバルビジネスの機会減少やヨーロッパ旅行の手間の増加があり、イギリスは移住候補地から除外することにしました。

何より「日本と違い、若さ溢れる国でチャレンジしたい」という思いが強かったので、「イギリスも日本と同じ島国根性か」と、イギリスという国を見損なってしまったのが大きな理由です。

もちろんEU離脱にはいい面もあるでしょう。

ただ、僕の価値観とは合わないなと思ったのです。
 

アメリカに関しては始めからハードルが高いと感じていました。

実際にトライしてみればそうでもないかもしれませんが、やはりヨーロッパを第一候補にしたいと思っていたので、アメリカは第一候補にはなりませんでした。
 

カナダは、旅行で行った時に、のんびりしていて凄くいい国だと感じました。

でものんびりしすぎていて、まだまだチャレンジしたいと思っている僕にとっては、スローライフすぎると思いました。

カナダは素敵な国だと思いますので、もし今自分が65歳だったら、カナダを選んでいたかもしれません。

 

オランダも検討した国の一つです。

ビジネス環境、教育水準、(日本人に対しての)移民政策など、オランダは日本人にとって、最も移住しやすい国の一つです。

日常生活は英語でも全く問題ありません。

ただし、公用語がオランダ語なので、文章や手続きはオランダ語のものも多いのがネックです。

公用語は英語である方がベターだと思い、オランダも第一候補から外しました。
 

他の移住先候補、プランB、滑り止め

以上の理由で、移住先の第一候補をアイルランドに決めました。

もしも、アイルランドへの移住がとん挫した場合、VISA申請が認められなかった場合には、オランダをプランBとして考えています。

オランダと日本の間には「Dutch Japanese Trade Treaty(日蘭通商航海条約)」と呼ばれる条約が結ばれており、日本人はオランダで自由に働く権利が認められています。

簡単に言うと、銀行残高が30万円程度あり、オランダに住む住所(賃貸OK)があればオランダの居住権が得られます

移住の条件としては非常に緩く、日本人であれば、ほぼ誰でもオランダに移住可能と言えます。

参考 https://ind.nl/en/work/working_in_the_Netherlands/Pages/Self-employed-person.aspx

オランダはアイルランド以外の移住候補として、最後まで悩んだ国でした。

なのでもしアイルランドに移住できない時には、オランダ移住に切り替える予定です。

「Part 2 アイルランドで永住する方法」はこれで終わりです。

次回のパート3では、アイルランドのVISA申請の条件などを確認していきます。