リーディングスキル向上のためのテスト(RST)の例題
今回は、小学生(低学年)向けの第二弾です。
第一弾はこちらです。
【小学生(低学年)向け】「読む力」読解力を鍛える、リーディングスキル練習問題、例題
文章には得手不得手があります。
記号が苦手な子ども、数字が苦手な子ども、社会が苦手な子ども、空間に関する問題が苦手な子ども、抽象的な話が苦手な子ども…
どんな内容の文章でも、書いてある事を理解できるようにならなければ、どれだけ知識を増やしても、文章問題は解けません。
そんなリーディングスキルを向上させるための問題集です。
読めない漢字はフリガナをつけてもOKです。単語の意味は教えてもいいですが、文章の意味の説明はせずに読ませてみてください。
※リーディングスキル向上のための問題なので、実際の事実や、厳密な科学的正解とは異なる場合があります。
知識を増やす目的ではなく、文章を読み意味を理解する練習に使ってください。
小学校低学年向け国語・社会に関連したリーディングスキル向上のための問題
回答は一番下にあります。
1.西から来た男が、分かれ道でどちらの道へ進めばいいのかが分からなかったので、近くの街で目的の山に向かうにはどちらに進めばいいのかを尋ねました。街の男はマンマル山なら東だと教えてくれ、街の女はサンカク山なら北ねと教えてくれたので、北の道を行くことにしました。
サンカク山に行きたいのは誰?
2.世界で一番高い山はネパールにあるエベレストです。エベレストを登るためにはネパールに、たくさんのお金を払う必要があり、お金払わないままエベレストを登ることはできません。山を登るために払ったお金は、エベレストの掃除などの環境の保護に使われています。
次の内容が正しければ〇、正しくなければ×を書きましょう。
( )エベレストを登る時にネパールからたくさんのお金が払われます。
( )エベレストの掃除をするためにはネパールの許可が必要です。
( )エベレストの環境保護にはお金がかかっています。
( )ネパールの人は、お金を払っていないのでエベレストを登ることはできません。
3.以下の①と②の2つの文章の意味は同じか違うかを答えましょう。
①フランスの王ルイ16世は、自分たちが贅沢をするために、貧しい国民に対しても重い税金を払わせ続けた。そしてついに国民を怒らせて反乱が起こり牢屋に閉じ込められてしまった。
②フランスの貧しい国民たちは、ルイ16世に重い税金を払わされ続け、それをガマンできずに反乱を起こしたことで牢屋に閉じ込められてしまった。
小学校低学年向け算数・理科に関連したリーディングスキル向上のための問題
回答は一番下にあります。
1.ホノカさんの家から学校までは歩いて10分かかり、ホノカさんの家からパン屋までは5分でつきます。そしてパン屋から学校まで歩いた時に8分かかりました。道は全てまっすぐだとすると、家、学校、パン屋の位置はどのようになっているかを描きましょう。
2.化石は大昔の生き物が死んだ時に、ぐうぜんその死体が泥の中に埋まってしまうと、長い年月をかけて泥が岩になって、その岩の中に骨の形がそのまま残ってしまったものだ。日本の山でも、魚や貝の化石がたくさん見つかっているので、今は陸になっている場所でも大昔は海だったと考えられている。
次の内容が正しければ〇、正しくなければ×を書きましょう。
( )貝の化石は山で見つかっているが、海の中では見つかっていない。
( )今の日本の山は全て、昔は海だったと考えられている。
( )魚や貝の化石が見つかっている山は、昔は海だった。
( )化石は海の中ででき、山で発見される。
3.以下の①と②の2つの文章の意味は同じか違うかを答えましょう。
①2歳ごろから生えてくる子どもの歯は乳歯とよばれる。乳歯は6歳から12歳の間にほとんど生え変わって、大人の歯である永久歯になる。
②2大人の歯である永久歯は、6歳から12歳の間に子どもの歯である乳歯から生え変わる。子どもの歯である乳歯は2歳ごろから生えはじめる。
国語・社会に関連する文章の答え
1.西から来た男
2.
(×)エベレストを登る時にネパールからたくさんのお金が払われます。
(×)エベレストの掃除をするためにはネパールの許可が必要です。
(〇)エベレストの環境保護にはお金がかかっています。
(×)ネパールの人は、お金を払っていないのでエベレストを登ることはできません。
3.違う
算数・理科に関連する文章の答え
1.
三角形になっていて、大体の距離(長さ)が、5:8:10になっていればOK。
2.
(×)貝の化石は山で見つかっているが、海の中では見つかっていない。
(×)今の日本の山は全て、昔は海だったと考えられている。
(〇)魚や貝の化石が見つかっている山は、昔は海だった。
(×)化石は海の中ででき、山で発見される。
3.同じ
リーディングスキル向上の必要性
最近は本を読む機会が激減してきているだけでなく、おもちゃやゲームでも説明書や文字による説明が減ってきています。
おもちゃやゲームの取扱説明書もなくなり、料理本もなくなり、今やバイトのマニュアルすらなくなりつつあります。
そしてYouTubeなどでの動画での説明が増えてきて、日常生活では本はおろか文字に接する機会もほとんどありません。
動画での説明は分かりやすいですし、それ自体は別に悪い事ではないとは思います。
ですが、入試などのテスト問題では、「文章を読む力・理解する力」を試す問題が増え続けています。
学歴なんか関係ないと言いたくなるかもしれませんが、知識も頭の柔軟性もあるのに、文章の意味が理解できないというだけで、テストで点が取れない子どもは驚く程たくさんいます。
文章に書いてある内容と全く同じ内容を口で説明すると、「なーんだ、そういうことか」と言って、すぐに理解して正解を導き出せます。
そして、これは学歴だけの問題ではありません。
公的な助成金(市町村の子育て手当など)、失業保険を申請する時、書類で何かを申請する時、確定申告の手続きなどなど。
世の中には、文章を読めないと損をしてしまう機会がたくさんあります。
ある研究では、そういった手続きをする人としない(できない)人とでは、控除、支援金、助成金、税金などで、1年で80万円の差が出るという驚きの研究結果もあるほどです。
世の中は明らかに脱・文字に動いていますが、そういった場所では、未だに書類の山なのです。