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ヨーロッパ移住 Part 4(番外編)その2:アイルランドで不動産購入(オランダで家を買う情報も少し)

Part 4(番外編)その2:アイルランドで家を買う手順(オランダで家を買う情報もほんの少し)

僕が実際にやった海外移住の手順を紹介。
Part 4 その2では、実際に家を買う手順を紹介します。

アメリカやカナダの不動産購入の情報はたくさんありますが、アイルランドの情報はほとんどないので、参考になれば幸いです。

僕は2020年12月に2LDKのマンションを買おうとしました。

しかし購入手続き真っ最中の2021年上旬からコロナが猛威を振るい、不動産の購入手続きも滞るようになりました。

リセッションに陥るだろうと予想されましたので、Solicitorの提案で値引き交渉をしてもらうことに。

結果、値引き交渉は決裂し、2020年のマンションは断念しました。

次に、2021年9月頃、に3LDKのマンションを買おうと思いました。

この時には内覧は一切せず、オンラインで購入を決めました。

購入が全て完了したのは2022年1月です。

不動産購入には早くて2ヶ月、長くて半年ほどかかりますので、それぐらいのスケジュールで動きましょう。

アイルランドで家を買う手順

投資物件でも賃貸物件でも自分で済む物件でも探し方は基本的に同じです。

不動産検索サイト
Solicitorに契約を依頼
SurveyorにSurveyを依頼
PPSナンバーを取得
お金の振込

この流れになります。

不動産検索サイト

まずは物件を探しましょう。

アイルランドにも不動産会社はたくさんあります。

でも実は、 Daft https://www.daft.ie/ を見ればほとんど全てOKです。

Daft は各不動産会社の情報を一気に見ることができるので便利です。

Daft だけでほぼ事足りますが、参考程度に、

DNG:大手。都市部から郊外まで網羅。
Sherry FitzGerald:大手。都市部の小さな家から郊外のお城まで手掛ける。
Owen Reilly:ダブリン一等地の物件多数。価格は高い。オンライン入札システムを持っている。
Beirne&Wise:ダブリン市内が中心で幅広く物件あり。
BidX1:比較的安めの物件が多い。
BRIDGE:中堅不動産会社。
Moovingo:不動産取扱資格を持っている個人なども多く出している。
Knight Frank:都市部のマンションを多く取り扱っている。

この辺りのWebサイトを見てみてもいいでしょう。

僕の場合はDaft一本で探しました

家不足であること、買い手(つまり僕)が外国人であることなどから、Daft経由で「買いたいんですが」と連絡しても返事すら来ない場合も結構あります

諦めずにたくさん連絡をしましょう。

不動産屋から「話がしたいから電話してきてくれ。」と言われることも結構あります。

電話での英会話に自信がない場合は、後述のSolicitorにお願いするといいでしょう。
 

Solicitorに契約を依頼

不動産売買契約をするには弁護士による書面の作成が必要です。

僕の場合の書類の一部を紹介しています。

売買契約書(Contract).pdf
売買契約書(Contract for Sale).pdf

Solicitor の手数料の相場は、だいたい売買金額の1%~1.5%です。

僕が依頼したSolicitorは1%。

61万ユーロのマンションなので、6100ユーロでした。

書面作成以外にも、Solicitorは

・その物件に前の持ち主が裁判中などのトラブルが無いか。
・契約の時の支払いの仲介(売主にお金を持ち逃げされないように)
・税金や光熱費の日割り計算の合意

などをやってくれます。

僕は日本にいながらダブリンのマンションを購入しましたので、不動産屋との細かい電話連絡、鍵の受け渡しなどもSolicitorにお願いしました
※Solicitor経由で不動産屋に連絡することで、返事が来ず不動産屋に無視される確率も減ります。

Solicitorとのやりとりは全てEメールで行いました。楽チンです。

アイルランド人はとても親切なので、こういった頼み事も、結構嫌がらずに聞いてくれます
(しかも追加料金無しで!)

家の購入代金は、僕からSolicitorの銀行口座に振り込みそこから不動産屋(売主)に振り込まれることになります。

このSolicitorの銀行口座は Client Account と呼ばれており、アイルランドの法律で、買い手(今回の場合は僕)の権利と安全が保障されています。

ちなみに、不動産売買に関するSolicitorとの契約書は pre-contract-questionnaire-property-purchase.pdf こんなのでした。
 

SurveyorにSurveyを依頼

アイルランドでは不動産購入の際に、第三者によるSurveyが必要です。

Surveyを行うSurveyor(サーベイヤー)は、日本で言うところの不動産鑑定士のような資格を持った人です。

僕は、2LDKと3LDKマンションの2か所をSurveyしてもらいましたが、費用は両方とも425ユーロでした。

大きな家になるともう少し高くなるかもしれません。

Surveyorから不動産屋に直接連絡して、Surveyが行われるので、立ち合いは必要ありません

Surveyが終わって1,2週間で、写真が500枚ぐらいと、Surveyのレポートが pdf で届きました。

その時貰ったSurveyのレポートを載せておきます。
survey report.pdf

家の状態(家具・家電の有無)
水漏れの有無
故障個所
駐車場などの状態
エントランスや周辺(最寄り駅までの道など)の状況
注意点
修繕が必要な個所

などが書かれています。

 

PPSナンバーを取得

不動産購入時に Stamp Duty(印紙税) や LPT(Local Property Tax/固定資産税)を支払う必要があります。

そして納税にはPPSナンバーが必須です。

PPSナンバーの取得は、語学留学などでは結構厄介ですが、不動産購入時のナンバー取得は全てSolicitorが代行してくれます

以下の4枚の書類を書くだけで取得できました。

Query Sheet HD 29 Oct 2019.doc(Word)(なぜPPSナンバーが必要なのかを書く書類)
REG1 24.10.2018.pdf(PPSナンバー取得申請書)
Consent form.doc (Word)(PPSナンバーを第三者に渡すことの同意書)
Exceptional Application.doc (Word)(アイルランドに住んでないがPPSナンバーが必要である特例申請書)

書類は全てメールされてきたので、印刷して該当箇所に記入。

サインをしてスキャンしてSolicitorにメールで送っただけです。

 

お金の振込

この時点で、僕はアイルランドの銀行口座を持っていません

なので、日本の銀行から、Solicitor の Client Account にお金を振込みます。

これがなかなかに厄介でした。

僕のメインバンクはゆうちょ銀行です。加えて新生銀行、楽天銀行、あとメガバンクを2つほど持っています。

ゆうちょでは月間20万円以上の海外送金は無理だと言われました。

楽天銀行も年間100万円が上限です。

メガバンクは審査の上で振込可能なようですが、手数料がかなり高いです。
振込手数料は3000円~5000円ぐらいだったと思いますが、スプレッド(為替レート差異)が非常に広く、2,3%多く支払う必要があります。

というわけで、新生銀行の海外送金サービスの Goレミット を使いました。

新生銀行 Go Remitでも通常の送金限度額は月30万円などの制限がありますが、事情を説明すれば上限なく送金が可能になります。

なお、多額の海外送金には金融庁で定められた審査があります。

・送金の原資の出所(給与・投資による利益・遺産相続など)
僕の場合は過去3年間の通帳のコピー、自社の過去3年間の決算報告書、証券会社の取引履歴過去3年分
などを提出させられました。

・マネーロンダリングや北朝鮮に関係するお金ではないことの誓約。
これは口頭での質問で終わりました。

・送金が必要な理由とその証拠
今回の送金理由は「不動産購入」なので、Solicitorや不動産会社に書いてもらった売買契約書のコピーを提出しました。

2020年の1回目の審査には2ヵ月ほどかかりました。

2021年の2回目の時には1週間かからず終わりました。

なぜ2回目がここまで早かったのか、詳細は分かりませんが、人員が強化されたのかもしれません。

他に検討した送金方法

Transfer Wise(現Wise)Revoluteももちろん検討しましたが、月間上限30万などの制限があるため、結局、銀行振込しか選択肢がありませんでした。

クレジットカード(SolicitorのSquare)による支払
更に、BitCoinによる送金も考えました。

クレジットカードの為替交換レートよりも、新生銀行 Go Remit の方がレートが良く、300万円以上の送金になると、クレジットカードよりも、Go Remitの方が有利でした。
BitCoinも同様で、円→B→ユーロの2回の換金手数料が高く多額の送金の場合は振込の方が有利だという結論になりました。
 

アイルランドで銀行口座を開設する(日本に住んでる段階)

家の購入が完了したら、光熱費(Utility bill)や共益費(Management fee)の支払いが必要になります。

ここでアイルランドの銀行口座が必要になってきます。

家の購入してアイルランドの住所ができ、
PPSナンバーも取得しましたので、晴れて銀行口座の開設が可能になりました。

銀行口座の開設には現地の銀行の支店に行く必要があります。
2週間アイルランドへ行きその間に銀行口座を開設しました。
 

通常、銀行口座開設に必要な書類は下記の通りです。

・住所を証明するもの(光熱費のレシートや税金の支払証明)を2種類
・身分証明書(パスポートなど)

僕はまだ銀行口座を持っていないので、光熱費が払えていません。

光熱費を支払うために銀行口座が必要
銀行口座を開くために光熱費のレシートが必要

鶏と卵のパラドクスです。

さらに、2021年11月頃だったのでコロナ後の開国直後でした。

AIBでは、銀行口座の開設までに最低2ヶ月と言われ断念

BOIは、口座開設書類の提出を即日行うことができました
銀行員(というか守衛さん?)がとても親切で、書類の書き方(支店にある端末で入力して印刷)も丁寧に教えてくれました。

審査は通常1週間、でもコロナ後で忙しいので長くかかりそうと言われ「1か月後ぐらいにまたアイルランドに来なきゃダメかな」と2週間での口座開設は半ば諦めモードでしたが…

なんと3日ほどで銀行口座が開設できました。
BOI最高。

ちなみに、鶏と卵のパラドクスを克服するために苦肉の策で提出した書類が以下です。

Payment Receipt-deposit.pdf(不動産売買のデポジット支払い証明)
Lttr 28.10.21.pdf(Solicitorからの売買完了の手紙)
Full Return Details.pdf(税務署からのStamp Dutyの名義変更の書類)
Stamp Duty Certificate.pdf(Stamp Dutyの支払い証明)
energy-bill.pdf(光熱費のデポジットの支払い証明)

どれも銀行が定める正規の書類ではなく、これで審査が通るかは正直賭けでした。

しかし結果として銀行口座は作れましたので、良しとしています。

口座開設から3,4日で
初期PIN(ATM用の4桁PIN)

初期365PIN(オンラインバンキングのログイン用6桁PIN)

が郵送で届きます。

なお、365(オンラインバンキング)をアクティベートするためには、カスタマーセンターに電話して、生年月日や最終トランザクション日(新規の場合はトランザクション無し)などの質問に口頭で答える必要があります。

 

オランダの家探し(おまけ)

ほんの余談ですが、オランダでの不動産探しは funda だけでOKです。

https://www.funda.nl/

僕は結局アイルランドに決めましたので funda はあまり使っていませんが、英語表記もできますし、使いやすいです。

かなり長くなってしまいましたがPart 4のアイルランドで不動産を買う手順はここまでです。

次のPart 5では、ついにSTEP用にビジネスプランを書く方法を記載しています。

ヨーロッパ移住 Part 4(番外編)その1:アイルランドで家を買う理由

Part 4(番外編)その1:アイルランドで家を買う理由、不動産事情

僕が実際にやった海外移住の手順を紹介。
Part 4は、手続きやVISA申請から少し離れるので、番外編としてアイルランドの物件探しを紹介。

アメリカやカナダの物件情報はたくさんありますが、アイルランドの情報はほとんどないので、参考になれば幸いです。

アイルランドの不動産事情

アイルランドでは、よく言われていますが、ここ10年以上ずーっと「住宅不足」です。

 

アイルランドの賃貸事情

リーマンショックの後、世界的リセッションに陥り、2010年前後からアイルランドもひどい不景気になりました。

その時に、家の購入価格は一時的に下がりました

しかし、住宅不足のせいで、家賃はさほど下がりませんでした。


ダブリンの家賃平均のグラフです。
右下のグラフが家賃の推移を表しています。

2009年頃から平均家賃は下落しますが、2015年頃には2008年のピークを越え、そこからも上昇を続けています。

ダブリン中心部では、1部屋のハウスシェア(バスルーム、キッチン等共有)で1000ユーロ以上(10万~15万円)光熱費別です。

例えば普通の30代の公務員や、バリバリのGAFAMエンジニアでも、ハウスシェアをしたり、親元から通ったりしています。

アイルランドの都市部の家賃は、他のヨーロッパの大都市とほぼ同等です。
 

アイルランドの家の購入価格

ザックリですが、アイルランドの一等地の家やマンションで他のヨーロッパの大都市の価格の半額ぐらいだと思っておけばいいでしょう。

ロンドン、パリ、フランクフルト、アムステルダムでは、都市中心部で、2LDKのマンションは1億3千万円ぐらい(100万ユーロ前後)のイメージです。

ダブリンでは中心部(Dublin 1, 2, 4あたり)の2LDKのマンションは大体6000万円ぐらいで見つけることができます。

都市部で電車(LUAS)で20分ぐらい行くと、価格は2/3ぐらいになります。

更に離れて都市部から40分ぐらいの場所では、中心部に比べ半値ほどの物件が多くなります。

価格としては、ロンドン、パリなどは、東京と同じようなイメージだと思います
(ただし、築年数で価値が下がらないので、東京の物件に比べると古く、築200年とかも普通にあります)。

アイルランド(ダブリン)は、だいたい大阪ぐらいのイメージでしょうか(適当でごめんなさい)。

アイルランドの地方都市になると、もちろんもっと値段は安くなります。


これがダブリンの家の売買平均価格のグラフです。

家賃のグラフと同じように2008年をピークに家の価格は大幅に下落しています。

しかし、賃貸の家賃と違い2021年時点で2008年のピークよりも20%ほど低い事が分かります。

 

「安く買えて高く貸せるなら、なんでみんな家買わないの?」と思うかもしれませんが、家を買わない(買えない)のには理由があります。

・一時的な住民が多い
・ローンが組めない

この2つが大きな理由になっています。

一時的な住民が多い に関しては、特にダブリンでは数年程度の海外勤務の人たちが多く暮らしています。

Googleに勤めるフランス人、Appleに勤めるイタリア人…など、ダブリンに永住する気のない人たちは、基本的にアイルランドで家は買いません。借りるのみです。

アイルランドの優れた教育を求めて、イギリス人やインド人などの外国人もたくさん大学で学んでいます。
中心部の家賃は高すぎるので、郊外に住みますが、これも郊外の住宅不足の要因になっています。

ローンが組めないことも影響しています。

アイルランドの銀行では、年収の3.5倍程度の金額がローンの上限となっています。
終身雇用のしみついた日本では年収の10倍のローンを組むこともできます。

つまり、年収が500万円だとすると、
アイルランドでは、1750万円がローンの上限になります。
日本では5000万円のローンを組むこともできます。

 

アイルランド不動産事情のまとめ

・ずーっと住宅不足。
・家賃は社会人でもハウスシェアするぐらい高い。
・家の購入価格は他国首都に比べると半額程度。
・築年数によって価値は下がらない。

結論として、不動産を購入するだけの金銭的な余裕があるのなら、賃貸よりも購入の方がおすすめです。

Part 4(番外編)その1は、アイルランドの不動産事情について説明しました。

Part 4その2では、実際にアイルランドで家を買う手順を説明していきます。
 

アイルランド永住 Part 3:アイルランドSTEPビザ申請手順

Part 3 アイルランド永住を目指して、アイルランドSTEPビザ申請手順

海外移住の手順と、VISA申請、移住先をどうやって決めたのかなど実際に僕がやってきたことをメモしていきます。

アメリカやカナダ情報はたくさんありますが、アイルランドの情報はとても少ないので、ここにメモしておきます。

STEPプログラムを使って永住する手順

Part 1でも紹介しましたが、僕は「Start-up Entrepreneur Programme (STEP)」というVISAを取得してアイルランドへ移住することを目標としています。

僕がSTEPでアイルランドのVISAを取得する手順は下記の通りでした。

STEPの条件を確認する(条件については、次項の「STEPプログラムの条件」で記載しています)
移住の準備をする
アイルランドで家を買う
PPSナンバーを取得する
アイルランドの銀行口座を開く

僕がとったこれらの手順はSTEPの必須条件ではありません。

必須ではないのに、なぜこの手順で進めたかの説明もしていますので、参考にしてみてください。
 

STEPの条件を確認する

まずはSTEPの条件をザックリ確認しました。詳細は次項にまとめています。

簡単に言うと、3,4年で年商1億ぐらいに成長するビジネスプランを考えて、アイルランドで開業するならVISAをあげます。
という内容です。

一見とても難しそうに思えます…

内緒話ですが、VISAさえ貰ってしまえば、その後審査があるわけではなく、何とでもなる

小売業、サービス業不可と書かれているが、これも審査があるわけではないので、まっとうに商売していれば何でもOKというのが現実。です。
(現地の弁護士談)

僕はITエンジニアリングでビジネスプランを考えました

僕自身、全くもってITエンジニアの経験者ではありませんが、勉強すればなんとかなるでしょう(楽観主義者)。
 

移住の準備をする

日本では、小売業・卸売業を小さな自分の会社で営んでいましたが、この事業を他社に譲渡(売却)しました。

移住の3年ほど前のことです。
(当初は移住の1年前のつもりでしたが、新型コロナの猛威により、2年延期となりました。)

引っ越しに向けて荷物の整理・家具や本の処分(ラクマで売ったり、ジモティーで貰ってもらったり)。

ITスキルを磨く。
30代半ばから新しいことを学ぶのは簡単ではありませんでしたが、移住後の生活基盤をできるだけ安定させるために、海外からでも収入を確保できるITスキルを学びました。

ホームページ制作、動画編集、プログラミング(JavaScript、PHP、Python)などのスキルある程度身につけました(全然一流レベルではありませんが、ITスキルは無駄にはならないでしょう)。
 

アイルランドで家を買う

僕の場合は新たにビジネスにチャレンジしたいという目的がありましたので、ヨーロッパのシリコンバレーと呼ばれるダブリン(アイルランド首都)に住みたいと思っていました。

ダブリンは慢性的に家不足で、家賃も非常に高いことが知られています。

そこで僕の場合は家を買うことにしました(実際に購入したのはアパートですが…)

賃貸ではなく買った理由は下記の通りです。

・家不足のため、条件のいい賃貸は難しそう。
・基本的に不動産の価値は築年数に関わらず下がらない(リセッションで下がってもすぐ戻る)。
・家不足のため、簡単に人に貸せて、家賃収入にもなる(ハウスシェアも楽しそう)。
・STEP申請のビジネスプランを書く際に、既に設備投資も開始していてやる気満々ですと言える。
・アイルランドの銀行口座の開設に住所とPPSナンバーが必要。

アイルランドに限らず、海外で家を買うことは、分からないことだらけでハードルが高いと感じている方も多いと思います。

アイルランドで家を買った話は、値段や手続きも含めて Part 4(番外編)その2 アイルランドで家を買うにまとめていますので参考にしていただければ幸いです。
 

PPSナンバーを取得する

PPSナンバーは、日本でいうところのマイナンバーです。

就職、納税、社会保障、銀行口座開設など、ありとあらゆる場面で必要になります。

語学留学などの場合は、PPSナンバーの取得が結構厄介らしいのですが、僕の場合は家を買うタイミングで、不動産取得税(Stamp Duty)を支払うため、納税のタイミングで自動的にPPSナンバーは取得できました。


 

アイルランドの銀行口座を開く

家を買い(住所ができた)、PPSナンバーも取得できたので、アイルランドの銀行口座を開設しました。

Part 4(番外編)その2 アイルランドで家を買う にも書いていますが、家を買ったのは日本からです。
内覧もしていません(コロナのせいで)。

しかし、銀行口座開設は現地の銀行の支店に行く必要がありました。

ということで、旅行がてら2週間アイルランドへ行き、苦労しながらもBank of Irelandで銀行口座を開設しました。

銀行口座開設の説明は Part 4(番外編)その2 アイルランドで銀行口座を開設する に書いています。

 

STEPプログラムの条件

・国際的なマーケットに働きかけるビジネスをアイルランドで行う(小売、サービス業は不可)。
3,4年で10人ほど雇用でき、4年後に年商100万ユーロ以上(だいたい年商1億円以上)を見込めるビジネスプランであること。
・経験のあるマネジメントチームが運営すること。
本社をアイルランドに置くこと。
・既存ビジネスの移転の場合は、6年以内に始まった若いビジネスであること。
・既存ビジネスの場合は、自国の最新の決算書を提出すること。
・多国籍企業の場合は、どこの国で何人雇うかとかを明示すること。
5万ユーロ以上(だいたい700万円)の開業資金が過去3ヶ月間ずっとあることを証明すること。
・上記開業資金がアイルランド国内でユーロとして送金可能である証明をすること。
申請費用として€350支払うこと。
警察での犯罪経歴証明書(Police Report)を取得し提出すること。
・配偶者がいる場合、戸籍謄本(婚姻証明書として)。

・任意の健康保険に加入する必要がある。ただし、これはVISA取得後の住む段階。
・アイルランドの法律家による宣誓書(affidavit)を貰う事。ただし、これはVISA取得後の住む段階。
・貰えるVISAは、2年。アイルランドからの出入りは自由。
・2年後に申請して3年延長
・2度目の延長申請以後は5年ごと更新。
・STEPでVISAを更新できない場合は(ビジネスの業績悪化など)、別の就労VISA(Work permit)や、新たなSTEPの申請を行う必要がある。
審査の結果、拒否されても再挑戦できる

これらの条件は必ず確認しておきましょう。

参照ページ
https://www.irishimmigration.ie/coming-to-work-in-ireland/what-are-my-options-for-working-in-ireland/coming-to-work-for-more-than-90-days/start-up-entrepreneur-programme-step/

STEPガイドラインpdf
https://www.irishimmigration.ie/wp-content/uploads/2020/01/STEP-Guidelines.pdf
 

それぞれの書類に関する詳しい説明はPart 6 申し込み手順・必要書類にまとめています。

なお、決算書など日本語の書類は全て英訳する必要があります。

戸籍などの公文書は英訳に加えて外務省によるアポスティーユ認証が必要です。

4年後に10人雇って年商1億以上、はあくまでも参考なので、申請時点ではあまり気にしなくていいです。
それぐらいの意気込みのあるビジネスプランを書けばいいのです。

経験のあるマネジメントチームが運営も同じで、「私実績あります!」と言えばOKです。

5万ドル(700万円ぐらい?)の残高証明は必須です。

申請費用やその他もろもろ、現地に住んでからの一時的なお金も合わせて、1000万円ぐらいの現金があれば、STEPに挑戦できると思います。

海外移住を本気で考える人であれば、これぐらいの貯金はできるでしょう。
なんなら親に借りたりもできるかもしれません。

・5万ユーロ以上(だいたい700万円)の開業資金が過去3ヶ月間ずっとあることを証明すること。
・上記開業資金がアイルランド国内でユーロとして送金可能である証明をすること。

この2点は日本人にとっては結構厄介です。

日本の銀行は「レター(証明書)」を書いてくれません

英語での残高証明はゆうちょ銀行で出せますが、ある時点での残高証明しか出せず、過去3ヶ月間ずっと残高が5万ユーロ以上相当ある証明にはなりません

また、僕が調べた限りでは「アイルランド国内でユーロとして送金可能である証明」は日本の銀行から貰える書類では証明できません

日本の弁護士に依頼して上記内容の文章を書いてもらい
文章を英訳(自分で、または翻訳者へ依頼して)し、
公証役場で公文書化(私文書→公文書へ)し、
外務省でアポスティーユ認証を貰う(公文書以外はアポスティーユできないので)
という方法もとれなくはないですが、非常に煩雑です。

公証役場での認証や、外務省でのアポスティーユに関しては、Part 6 STEPプログラム申し込みに詳しく記載しています。

ただ、日本の銀行残高でSTEPを申し込む作業は面倒だったので、僕は一番手っ取り早くて確実な「アイルランドで銀行口座を開き」そこに5万ユーロ以上を預金することを選びました

この方法であれば、残高証明も、ユーロとして送金可能うんぬんも全く必要ありません

オンラインバンキングでから pdf でダウンロードできるバンクステートメントを印刷して添付するだけでOKです。

銀行口座を開設するにあたって、PPSナンバーとアイルランド国内の住所が必須になります。

僕はアイルランドで家を購入しましたので、PPSナンバーも住所も両方クリアできましたが、賃貸の場合にはこの辺りは少し苦労するかもしれません(でも不可能というわけではありません)。

長く細かい話になりましたが、Part 3のSTEPビザの要件や簡単な手順はここまでです。

Part 4 は少し番外編になりますが、アイルランドの不動産事情、アイルランドで不動産を買う理由、不動産を買う方法、手順を紹介しています。